人類とオークとの戦争が激化するなか、エリオスが暮らすビルモーテ村も無関係ではいられなかった。 突如現れたオークの軍隊によって村は壊滅し、エリオスは命からがら逃げ延びた。 そして、ビルモーテ村の救援に駆けつけたオルファラン＝テュバーウェスに保護されたのであった。
領主のレイオ＝アルブレントが拠点を置くラデナ城に入ったエリオスは、ジョバン＝リンドルクサンと出会う。 エリオスとジョバンは、１日も早くオークとの戦争を終わらせるため、力を合わせることを誓い盟友となった。 そんな中、オークの攻勢が強まっていることに危機感を抱いたアルブレント公は、 領民を隣国、ソルビナ王国の王都であるシュレーナに避難させることを決定。 オルファランの護衛のもと、エリオスとジョバンはシュレーナに向かった。
ようやく着いたシュレーナは、各地から集まった避難民であふれていた。 オークの快進撃により、故郷を追われた人達が身を寄せていたのだ。 そして、オーク軍がシュレーナに迫っていると知ったオルファランは、 ソルビナ王国からさらに西の、ガルディア王国に避難することにしたのであった。 オルファランが去った後、シュレーナはオークに攻め落とされ、 ソルビナ王国はその長い歴史に幕を閉じた。
ソルビナ王国滅亡の知らせに危機感を抱いた諸王は、結束してオークと戦うことを誓い合い、 人類とオークとの戦争はより一層激しさを増すのであった。
その頃エリオスは、ジョバンに誘われてガルディア王立騎士養成所に入り、 騎士見習いとして修行に励むのであった。
ミッドビル王国はオークに占拠されたメネクポリナを奪還する上で、トリエロンからの援軍を阻止するために、 ガルディア王国とサングル王国に要請して、トリエロンを攻めさせた。 オークの快進撃を止めるべく、ついに人類が結束したのとは対照的に、オークの間には猜疑心や嫉妬心などが表面化し、 結束に綻びが見え始めたのであった。
戦況の悪化に憤りを覚えたオークの統率者バンピルブの指示により人類への総攻撃が行われたが、 人類はこれを撃退し、いよいよ攻勢に移るのであった。
その頃、エルファノの騎士養成所で実戦を想定した模擬合戦が行われた。この合戦でエリオスとジョバンは力を合わせて戦い勝利した。 しかし、負けたウェラー＝ボーンティングは、審判にあたった戦闘教官を、家柄を背景に脅し判定を覆してしまった。 そのためジョバンは、あらかじめ賭けていた通り、街中で裸踊りを余儀なくされた。
追い討ちをかけるように、かねてからボーンティング家の圧力を受けてジョバンを追い出したがっていたヨキ＝ウェルブ所長が、 裸踊りの件を責めてジョバンを養成所から追放した。このことに怒りを覚えたエリオスは養成所を出ることを決意し、 オークとの戦いに加わるのであった。
オークの支配下にあるミケイを奪還するため、マクダイン＝ホーンウェルンらが戦いの準備をしている一夜砦に到着したエリオスは、 オルファランと再会して忠誠を誓った。これによってエリオスは、騎士としての第一歩を踏み出したのだった。
ミケイの守備を預かるランカンは、兵力増強のためビットンに援軍を要請したが、サングル水軍の妨害によって支援を断たれてしまった。 そのため、手持ちの兵力だけでミケイを守りきろうとしたが、兵力の差はいかんともし難く、ランカンは討ち死にした。 そして、人類は要所であるミケイを取り戻したのであった。
ガルディア王国はシビル川を渡り、ソルビナの地に到着した。これに対してビットンは、人類を迎え撃つためトロキシ山に布陣した。 先手を打たれたガルディア王国は、トロキシ山に陣取ったオーク軍を揺さぶるため、オルファランをシュレーナに直行させ、 ビットンはオルファラン率いる別働隊を討つべく、北の巨人ダデオを派遣した。 オルファランはダデオとの戦いで危機的な状況に陥ったが、エリオスらの活躍によって、父親の仇であるダデオを討ち取った。
ビットンはダデオ敗北の報を受けて、トロキシ山からシュレーナに撤退し、籠城戦の構えを見せた。 しかし、トロック・ゲルグ・ニンス三砦を守るドルオに要請した援軍は、アレス＝リンドルクサンらの活躍によって阻まれ、 ガルディア王国が開発したアイアンゴーレムによってシュレーナは陥落し、ビットンは宮殿に火を放ち命を絶った。
シュレーナを制圧した勢いに乗って、ガルディア王国とラデナ公国はトロック・ゲルグ・ニンス三砦の攻略を始めた。 対するオークは、ビットンに代わって南部一帯の軍勢の総指揮を命じられたドルオが、ビットンによって冷えこんでいたグラマスとの関係を修復し、連携して人類を撃退した。
一方、ミッドビル王国はトリエロン攻略のため準備を進めていたが、スカーバルの妨害活動によって、作戦が思うように進まなかった。 人類とオークとの戦いは、お互い一歩も譲らない状況に置かれることとなった。
ソルビナの戦闘が膠着する一方、シビル川以東ではオークの最後にして最大の拠点トリエロンを攻略するべく、人類の総攻撃が始まった。 各国の軍がトリエロンに集結するなか、ラデナ公国はオルファランとアレスを派遣した。 しかし、行軍中にサロマングの奇襲を受け、オルファランが戦死してしまった。 またもや大切な人を失ってしまったエリオスだが、非情にも続く戦いを前に、エリオスは戦い続けることを決意した。
トリエロンをめぐる人類とオークの戦いは一進一退の攻防が続き、勝負の行方は予断を許さない状況であった。 だが、サロマングがトリエロンの統治者でバンピルブの子であるエゴジオを誤って殺してしまったことで、戦況が大きく動いた。 スカーバルはバンピルブに反旗を翻し、トリエロンを放棄してモラドに帰還した。 そして、バンピルブがスカーバルを討つため出兵すると、スカーバルは人類にオーク軍の情報を流してバンピルブを攻めさせたのであった。
人類の侵攻を知ったバンピルブは、スカーバル討伐を中断して引き返し、試練峠で両陣営は衝突した。 そこで人類は、バンピルブの規格外の強さを知ることとなった。 ムオウはバンピルブを仕留めるため、数多くの味方を犠牲にしてバンピルブを罠にはめた。
それでも、バンピルブは倒れなかった。 人類が恐怖と絶望に叩き落されるなか、エリオスは弱くて何もできない自分と決別するため、バンピルブに立ち向かった。 バンピルブの圧倒的な武の前に、エリオスは為す術がなかった。 それでもエリオスは戦い、決死の覚悟によって遂にバンピルブを倒した。
しかし、バンピルブによって崩された軍を立て直すことができぬまま、人類は敗退した。 オークも大将であるバンピルブを失ったことで、体制の立て直しを迫られ、人類とオークの大戦「バンピルブ戦争」は、双方が戦いを続けられなくなったことによって終結したのであった。
エリオスはビルモーテ村からここに至るまで、様々な人と出会い、失っていった。 そして、これからも色々な出会いと別れがあるだろう。 これまで手に入れた大切なもの、これから手に入れるであろう大切なもの。 その全てを守るために戦う。それが、エリオスが見出した騎士道であった。
それは、エリオスを助け導いた人。オルファランが貫いてきた騎士道と同じであった。 崇高なる魂は、例えその身が滅びても消えることなく、後に続く者に受け継がれてゆく。 バンピルブ戦争が生んだひとりの英雄が、英霊の魂を受け継ぎ、自らが信じる騎士道を行く。